講演情報
[EL1]移植医療と救急医療
山永成美1,2、米田龍生1,3、小野稔1,4 (1日本移植学会、2熊本赤十字病院移植外科、3奈良県立医大泌尿器科、4東京大学心臓外科)
臓器移植は末期臓器不全の患者の命を救い、その生活の質を改善してきた。臓器提供者とそのご家族による寛大な行為と、多くの重要な科学的臨床的進歩により、人間同士の連帯の象徴ともなっている。日本において移植医療は長らく停滞してきたが、2008年のイスタンブール宣言で“各国は臓器提供と臓器移植の自給自足に努めるべきである“と謳われたことを受け、2010年に改正臓器移植法が全面施行され、生前の意思が不明でも家族の承諾があれば臓器提供が可能となった。その結果、徐々に臓器提供は増加しつつあり、2023年には脳死臓器提供は通算で1000例を超えた。しかしながら2021年の内閣府の調査では39.5%が臓器提供したいと回答しており、これらの意思を十分に汲み取るシステム構築が課題である。”誰かのためになりたいという患者の思いに応えるため“、日本移植学会は救急関連学会や厚生労働省、日本臓器移植ネットワークと強固な連携を取り、教育研究普及啓発を通して、臓器提供施設の支援と体制整備に注力してきた。これまでの日本移植学会の活動を振り返り、移植医療と救急医療のあるべき姿について議論したい。
