講演情報
[P1-02]血液透析中に心停止となった原因としてナファモスタットによるアレルギーが疑われた1例
*名知 ひかる1、川口 智則2、山本 順一郎3、若松 正樹1 (1. 朝日大学病院 麻酔科・歯科麻酔科、2. 朝日大学病院 循環器内科、3. 朝日大学病院 腎臓内科)
【緒言】ナファモスタットメシル酸(NM)は出血傾向を認める透析患者の抗凝固剤として汎用されている。今回、NMを主因薬と疑うアナフィラキシーにより心停止に至るも後遺症なく社会復帰し得た症例を経験したので報告する。【症例】86歳男性。透析開始直後に口腔内掻痒感を訴え、7分後に回路内静脈圧低下と意識レベル低下を認めた。アナフィラキシーを疑いアドレナリン(Ad)0.3mg筋注、返血開始するも心停止に移行。AEDで電気ショック1回Ad1mg・メチルプレドニゾロン125mg静注を行い、心停止より9分後に心拍再開し、HCU入室した。トリプターゼ値は発症1h後60.8μg/L、24h後5.1μg/Lであり心停止の原因はアナフィラキシー、被疑薬はNMと推察した。【考察】NMの副作用としてアナフィラキシーはよく知られているが、心停止まで至る報告は少ない。アナフィラキシー患者の80∼90%に出現する皮膚兆候は診断に有用であるが、本症例のように急激に心停止に移行する重症例では認めないことがある。NMによるアナフィラキシー発症は予測困難であり、使用時にはその可能性を常に念頭に置いた観察管理が肝要と考えられた。
