講演情報

[P1-03]バイスタンダーCPRに合併した胃破裂の1例

*加藤 晶人1 (1. 昭和大学横浜市北部病院 救急センター)
バイスタンダーによる心肺蘇生(CPR)は心肺停止症例の救命率を向上させる.しかし,CPRに伴う合併症は無視できず,その合併症の多くは胸部合併症であり,腹部合併症は少ない.今回,バイスタンダーCPRにより胃破裂を生じた症例を経験した.症例は83歳女性で既往歴はない.自宅内で縊頚による心肺停止状態を家族に発見され,家族による胸骨圧迫と人工呼吸が施行され,発見から20分後に自己心拍が再開した.その後救急隊が到着して頸椎保護とBVMによる補助換気が行われながら当院へ搬送された.画像検査で右第3-6肋骨骨折と胃小弯側の穿孔と思われるfree airを腹腔内に認めた.その後血圧が維持できずに搬送翌日に死亡された.CPRによる胃破裂は0.1%と報告されており,胃破裂の危険因子としてバイスタンダーCPR,BVMによる陽圧換気,気道確保困難がある.CPRが胃破裂をきたす要因は胃拡張で,気道確保が不十分な人工呼吸は胃拡張を生じ,さらに不適正な部位の胸骨圧迫は胃破裂をきたす.合併症が生じる可能性はあるが,バイスタンダーCPRが制限されることなく,適切なCPRが一般市民に普及されることが重要と考える.