講演情報
[P2-04]直前まで独歩可能だったにもかかわらず、後咽頭血種から気道閉塞、CPAに陥った頸部外傷の1例
*小島 直樹1、原 直輝1、中島 絵里1、勝田 晃平1、宇佐美 健喜1、高野 隼1、有野 聡1、佐々木 庸郎1、稲川 博司1、岡田 保誠1 (1. 公立昭和病院 救命救急センター)
【症例】70歳男性、動脈管開存術後、内服薬なし。某日起床後、外出衣服に着替え、妻に朝ベッドから落ちて首が痛く息が苦しい、と言っていた。嗄声で顔色悪く、頸部腫脹あり救急要請したが、電話から戻ると卒倒していた。現着時CPA、波形PEA、瞳孔散大、外傷創、出血はなく、現場でアドレナリン投与により脈拍のみ再開した。来院時、橈骨動脈蝕知可能、HR92、SpO2エラー。頸部全体が左優位に緊満していた。挿管時、声門間隙は視認不能だったがブジ―を用いて挿管した。造影CTで頸部から縦郭にかけて食道背側を主体に広範に血種あり、骨折はC6横突起、C4,5棘突起、右第1肋骨に認めた。頭部CTで低酸素虚血性脳症を認め治療限界と判断し、同日死亡した。【考察】造影CTでは血管損傷や血管外漏出像は同定されず、何らかの細動脈が破綻出血し内圧上昇で自然止血されたと推測した。軽微な頭頚部外傷を契機に後咽頭血種から気道緊急に陥った報告例は稀だが散見され、中には受傷初期には軽症帰宅可能と判断された症例もある。【結語】軽微な受傷機転で独歩可能な頸部外傷でも、後咽頭血種から急速に窒息に陥ることがあり注意が必要である。
