講演情報
[P3-02]リスペリドン過剰摂取後の患者における造影剤によるアドレナリン抵抗性アナフィラキシーショックが生じた一例
*中野 貴文1,2、仲村 佳彦3、佐藤 啓介2、内山 将伸1,2、三島 健一1、石倉 宏恭3、神村 英利1,2、松尾 宏一1,2 (1. 福岡大学薬学部、2. 福岡大学病院薬剤部、3. 福岡大学病院救命救急センター)
リスペリドン過剰摂取および飛び降り後に搬送された患者で、造影剤投与後にアドレナリン抵抗性のアナフィラキシーショックが生じた症例を経験したため報告する。患者は30代男性でリスペリドンを一度に10 mg服用し、飛び降り自殺を図った。当院搬入後に受傷部位の精査のためにヨード系造影剤が投与され、その後に全身紅斑と低血圧が発症し、アナフィラキシーショックと診断された。患者はアドレナリン0.5 mgを筋注されたが、血圧の改善はみられず、更に0.5 mgを追加投与されたが、血圧に変化はなかった。 そのため、アドレナリン投与は持続点滴(0.6~1.2 μg/分)に切り替えられ、その後の血圧は改善を示し、アナフィラキシーショックから回復した。本症例はリスペリドンの過剰摂取後にヨード系造影剤によるアナフィラキシーショックが生じた稀なケースであった。本症例でみられたアドレナリン抵抗性はリスペリドンの血中濃度 (25.8 µg/mL) が高値であったために生じた可能性がある。本症例は、リスペリドンを服用している患者がアナフィラキシーショックを起こした場合、アドレナリンの感受性が変化する可能性があることを示すものであった。
