講演情報
[P5-04]COVID-19疑陽性症例として診断が遅れ、救命できなかったLemierre症候群の一例
*藤浪 好寿1、野坂 英樹1、佐藤 圭路1、切田 学1 (1. 加古川中央市民病院 救急科)
症例は25歳男性。当院受診5日前に診療所で軽症のコロナウィルス感染症(COVID-19)と診断され、対症的処方を受け自宅療養の方針となっていた。肥満はなく、既往歴は根治した小児喘息のみであった。当院受診の2日前に胸痛と呼吸困難が出現し、近医を受診したが、COVID-19診断例でSpO2低下がないとのことで、医師による身体診察はなく対症的処方の継続のみを受けた。受診当日、症状増悪により体動困難となったため救急車を要請した。末梢酸素飽和度は93%(室内気)~97%(鼻カニューレ、2L/分)であり、重篤な低酸素状態とは言えなかった。しかし頻呼吸が目立ち、高度の網状皮斑が出現しておりはじめてショックおよび敗血症が認知された。頚部および両上腕は高度に腫脹緊満し、疼痛を伴っていた。単純および造影CTで両側の肺に敗血症性塞栓、左頸静脈内に低濃度の管腔内血栓を認めた。Lemierre症候群に続発する敗血症と診断し、集中治療を開始したが、受診翌日未明に死亡した。COVID-19パンデミックの影響を受け、診断と受診が遅れたために不幸な転帰をたどったLemierre症候群の一例を報告する。
