講演情報
[P6-01]抗血栓薬未投与で回復した両側多発性脳梗塞の1例
*渡邉 知朗1 (1. 医療法人藤井会 香芝生喜病院)
症例は80歳代女性、胆嚢癌、糖尿病、貧血で他院に通院中。構音障害と歩行障害でかかりつけ病院に診療依頼したが断られ救急要請、当院に初診搬送。頭部MRIにて両側多発性脳梗塞を認め、入院。意識清明で四肢の明確な運動障害はなく構音障害と軽度の口角麻痺を認めた。頭部MRAで血管異常は認めず、心電図は洞調律で、既往からトルソー症候群を疑った。入院時採血でHb4.8と高度貧血を認め、便潜血陽性、腹部CTでは肝内に低吸収域を認め、通院先に加療依頼をするも拒否。非常勤医に上部消化管内視鏡検査を依頼、出血源はなく、輸血のみ実施し入院。翌日、下部消化管内視鏡検査で、上行結腸に腫瘍が疑われる出血性病変が指摘され、組織生検を実施。かかりつけ医からは後日情報提供があり、胆嚢癌は再発なく、2週間前の時点でHb12.7と報告を受けた。輸血のみで経過観察。組織生検で腫瘍は認めず、便潜血は陰性化。抗血栓薬は投与せず症状軽快し第19病日自宅退院、外来観察で上行結腸病変は消失、脳梗塞も再発なく終診した。発症8日前にCOVI19感染歴にて、COVID19感染の血栓傾向や消化管出血での急性貧血で生じた脳梗塞と判断した。
