講演情報

[P6-02]下肢脱力・腰痛で搬送され脊髄梗塞と診断した一例

*鈴木 慶1、芳野 由弥1、升賀 由規1、下村 啓祐1、岡野 成洋1、小林 靖孟1、田原 直樹1 (1. 広島市立北部医療センター安佐市民病院)
【背景】脊髄梗塞は急速な運動・感覚障害で発症し,後遺症を呈することがある重篤な疾患であるが,頻度は少なく診断に難渋することがある.【症例】86歳男性.起床1時間後に両下肢脱力・腰痛・めまいあり救急要請され,当院に搬送された.来院時血圧150/64 mmHg,上肢は麻痺なく両下肢は膝立不能・MMT1で,感覚障害はなく肛門の弛緩を認めた.第3-4腰椎に自発痛を認めたため脊椎症の可能性を考慮してCTを施行し,第3・4腰椎後方辷り症を認めた.腰椎MRIでは第4腰椎レベルに脊柱管の最狭窄部位を認めたが,馬尾神経の高さであり腰髄の信号変化は認めなかった.急性発症であり脊髄梗塞の可能性があること,神経所見から腰髄より上位の病変と考えられたため胸椎MRIを行った.T2強調画像では明確な異常を認めず,拡散強調画像で第10-12胸髄に高信号域を認めた.以上より,急性期脊髄梗塞と診断した.【考察】腰痛を伴う下肢脱力の症例では整形外科領域の脊椎症である頻度が多いが,発症様式が急性の場合は脊髄梗塞を想起する必要がある.【結語】脊髄梗塞の診断にあたっては,発症様式の確認と神経症状からの責任病変の推定が重要である.