講演情報

[P7-02]意識障害と左片麻痺で発症し、脳CT灌流画像を撮像したStanfordA型急性大動脈解離の一例

*鈴木 亮1、北村 拓也1、武田 聡1 (1. 東京慈恵会医科大学附属病院 救急部)
StanfordA型急性大動脈解離(A型解離)における脳malperfusionの合併は10%と報告されている。脳malperfusionを伴った症例に関して、術後の神経学的予後の予測に関する定量的な評価は確立していない。症例は70代女性。意識障害と右共同偏視を主訴に、当院に搬送された。当院の脳卒中プロトコルに従い、頭部から大動脈弓部までの造影CTとともに、脳CT灌流画像(CTP)を撮影した。結果、A型解離に合併した脳malperfusionと診断した。CTPでは右大脳半球の虚血コア134.16㎣、ペナンブラ240.81㎣であった。発症5時間10分後に手術室に入室し、部分弓部置換+右総頚動脈再建術を施行した。第5病日のMRIで右大脳半球と左前頭葉白質に急性期梗塞の所見を認め、左片麻痺と軽度の意識障害が残存した。malperfusionによる重度の意識障害を合併したA型解離では、5時間以内に手術を行うことで神経学的予後を改善する可能性がある。初療時のMRIによる脳評価は、検査時間や急変対応の観点から施行しにくい。大血管評価とともに短時間で施行可能なCTPは、治療方針決定の一助となりうる。