講演情報

[P10-01]高カルシウム血症による食欲不振と倦怠感を契機に診断された成人T細胞白血病(ATL)の一例

*王 德雄1、平川 昭彦1、木内 俊一郎2、伊藤 智佳子1 (1. 田附興風会医学研究所北野病院救急科、2. 関西電力病院救急集中治療科)
(はじめに) 高カルシウム血症は救急外来でよく遭遇される電解質異常であり、食欲不振や倦怠感などの非特定的な症状を呈し、副甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍や薬剤などが原因となる。
(症例)90歳、女性。鹿児島出身、既往歴は高血圧。数ヶ月前から食欲不振が出現し、近医上部内視鏡で異常を指摘せず。倦怠感で当院救急外来に搬送された。採血にて高カルシウム血症(Ca 13.6 mg/dL)と末梢血に異常リンパ球を認め、CTで多発リンパ節腫大を指摘された。生食補液とフロセミドを投与し、白血病疑いで血液内科に紹介となった。その後、HTLV-1陽性、IL-2R高値(46967 U/ml)、末梢血所見でflower cellを認めたため急性型ATLと診断し、入院加療となった。
(考察) 高カルシウム血症は救急外来で迅速に対応すべき疾患であり、原因精査も重要である。悪性腫瘍患者は約2-3割で高カルシウム血症が発症する。ATLはHTLV‐ 1キャリアに5-10%の頻度で発症し、2年以内にほぼ死亡する。本邦のキャリア数は約100 万
人でATL 発症数は年間約700 例といわれる。高カルシウム血症とATLの文献を含め、報告する。