講演情報

[P14-01]病院前医療介入が出血をきたした外傷患者の状態および医療機関内介入に与える影響に関する記述研究

*伴 理紗子1、川井 廉之1、鶴田 啓亮1、宮崎 敬太1、淺井 英樹1、福島 英賢1 (1. 奈良県立医科大学附属病院 高度救命救急センター)
【はじめに】外傷患者の救命には、迅速な評価と蘇生介入が重要である。しかし、日本では救急隊が実施できる介入に制限があり、病院前医療スタッフの派遣システムに依存している。この研究は、出血を主とした外傷患者に焦点を当て、病院前医療介入が患者の状態と治療にどのような影響を与えるかを探索的記述研究を行った。 【対象と方法】2018年4月1日から2023年3月31日までに当センターで緊急止血術が行われた外傷患者94例を対象とした。医師が介入した症例と救急隊のみで搬送した症例を比較し、患者背景、搬送手段、vital sign、FAST所見、輸血、止血術、予後などの因子を分析した。 【結果】医療介入の有無による患者のvital signに大きな差はなかった。しかし、病院前のFAST陽性所見がある場合、エコー未実施例に比べて止血術開始までの時間が短い傾向があった(64分vs91.5分 p=0.05)。 【まとめ】病院前医療介入が直接的に患者の状態改善が観察されなかったが、病院前でのFAST陽性所見が止血術までの時間短縮に有効である可能性が示された。