講演情報
[P25-01]上顎インプラント術後出血に対する止血処置後に心肺停止をきたした1例
*杉江 優一1、杉村 朋子1、後藤 新平2、又吉 亮2、河野 俊広3、城間 恵介1、武村 克哉1、梅村 武寛1 (1. 琉球大学病院 救急部、2. 南部徳洲会病院 歯科口腔外科、3. 琉球大学病院 歯科口腔外科)
<背景>救急症例で歯科処置を要する場合は専科外来へ移動しての対応となる。その際、非モニタリング下の処置となることがしばしばある。今回、インプラント術後1週間で、口腔内動脈性出血を認め、その止血処置後に心肺停止となった症例を経験したため報告する。<臨床経過>63歳男性。口腔内への出血が持続し救急外来を受診した。意識清明、呼吸・血圧は安定していたが頻脈を認めた。歯科口腔外科医がインプラント上部構造を外し、鼻口蓋管動脈からの出血を認めた。出血部に対して、結紮と焼灼法で止血し得た。止血処置後に座位となった直後、意識レベルの低下を認め頸動脈が触知できなかった。心肺停止と判断し胸骨圧迫を行い、30秒後に自己心拍は再開した。出血性ショックと血管迷走神経性失神による心停止 と考え入院加療とした。入院後は再出血や神経学的後遺症を認めず、4日目に退院した。<結論>血管迷走神経性失神は救急外来においても遭遇する頻度の高い病態であるが心停止に至るのは稀である。口腔内微小血管からの出血においても、出血性ショックおよび血管迷走神経反射にとどまらず心停止に至るリスクがあることを認識しておくのが重要である。
