講演情報

[P26-04]本邦化学剤事案に対する初期対応の改善点に関する検討

*木村 優志1、*小橋 和虎1、*黒川 貴幸2 (1. 防衛医科大学校 医学科学生、2. 防衛医科大学校 防衛医学講座)
【背景】化学剤は世界的には戦争に使用されたが、本邦ではテロリズムでも使用された特異な経緯がある。我々は日常でも化学剤による脅威を認識する必要がある。【目的】化学剤に対する本邦の初期対応につき、主に①事象評価、②トリアージ、③搬送の視点から改善点を考察する。【方法】化学剤による過去の事案及び想定訓練につき文献検索し、現行の化学剤に対する初期対応と比較した。【結果】過去の事例より改善点として以下の3点を抽出した。①発災早期には化学剤の想定が困難であるが、化学剤を想定していても情報伝達不備が多い。②化学剤を想定したトリアージ(特に除染前トリアージ)の実施例が少ない。③搬送能力と病院の受け入れ許容量との調整が重要である。【考察】事象評価で、特に実際の現場では化学剤事案の想定は困難と予想されるが、なるべく早くスイッチを入れる重要性を再認識した。一方医療資源や時間の管理も重要であり、トリアージによる除染法選択や搬送先選択にも直結すると考えた。【結語】化学剤事案の初期対応で最も重要な点は事象評価時点での化学剤の想定である。また、除染前トリアージの事前周知も重要である。搬送は通常災害と同対応でよい。