講演情報

[O11-05]止血に難渋した神経線維腫症1型(NF-1)患者における巨大皮下血種の1例

*岩本 泰樹1、鈴木 恵輔1、富田 佳賢1、島田 拓哉1、菊地 一樹1、柳澤 薫1、山荷 大貴1、井上 元1、八木 正晴1、土肥 謙二1 (1. 昭和大学 医学部 救急・災害医学講座)
【緒言】神経線維腫症1型(NF-1)は常染色体優性遺伝病であり,カフェオレ斑などの皮膚病変を特徴とするが,血管脆弱性による出血の報告もされている。【症例】NF-1の既往のある60歳女性。肺高血圧症で内科入院中であった。病室でベッドに座ったことがきっかけで,突然の臀部痛と貧血進行のため急変対応が必要となった。造影CT検査では巨大な皮下血種の中に小さな活動性出血を伴っており緊急でTAE施行の方針となった。目的血管の同定に難渋し,また止血しても再度翌日貧血が進行するなど3日間連続でTAEによる止血術が行われた。その後は止血を得られ症状も改善したため退院した。【考察】NF-1患者の巨大皮下血腫に対するTAEにおいて,治療上の困難に遭遇した。この治療困難は、NF-1に特徴的な血管脆弱性に起因していたと考えられる。NF-1に関連した出血のメカニズムとしては,直接血管に浸潤することによる血管壁の脆弱化、栄養血管が圧迫されることによる虚血に伴う血管壁の脆弱化,血管内膜の紡錘細胞増殖による弾性板の脆弱化などが考えられている。【結語】NF-1患者の出血では止血に難渋することが分かる教訓的な1例であった。