講演情報
[O11-06]敗血症性ショックにおいてアルギニンバソプレシン(arginine vasopressin, AVP)投与中止直後に尿崩症を発症し遷延しデスモプレシン(DDAVP)の投与継続が必要であった一例
*富田 佳賢1、井上 元1、岩本 泰樹1、須郷 加奈子1、町田 麻美1、島田 拓哉1、柳澤 薫1、菊地 一樹1、山荷 大貴1、杉本 達也1、鈴木 恵輔1、八木 正晴1、土肥 謙二1 (1. 昭和大学 救急・災害医学講座)
【背景】AVP終了後,尿崩症を発症することがあるが,一過性であることが多い.今回,DDAVPの投与継続が必要となった症例を経験したため報告する.【症例】74歳女性.肝膿瘍による敗血症性ショックの診断で,救命センター入室し,経皮的肝膿瘍ドレナージ,抗菌薬・昇圧剤加療開始した.ショック離脱に伴い,AVP終了したところ,低張尿を多量に認め,血中Na濃度上昇,血圧低下をきたしAVPを再開した.再開後から尿量減少を認めた.下垂体MRIT1強調像にて下垂体後葉高信号は保たれていた.AVP離脱できず,DDAVP内服に切り替え一般床へ転出した.【考察】敗血症性ショックにおいてAVP終了後多尿をきたすことがあるが、機序として内因性AVP不足の状況で,外因性AVPの補充によって集合管V2受容体の抑制が起こり,相対的な腎性尿崩症をきたすと考えられており,一過性であるとされている.今回,AVP離脱できず,DDAVP内服継続が必要となり,中枢性尿崩症が示唆された.しかし,MRIの結果は中枢性尿崩症を支持しなかった.【結語】AVP中止後,尿崩症を発症したが改善認めずDDAVP内服継続が必要となった1例を経験した.
