講演情報
[O12-06]一般市民の思う「もしもの時」と医療従事者の考える「終末期」∼ 急性期医療におけるACPの諸課題の検討
*宮部 浩道1 (1. 社会医療法人大雄会 総合大雄会病院)
高齢化社会の進行により一般市民が「もしもの時」を相談している症例が増えつつある。果たして我々はどの程度その希望を尊重できるのであろうか。ACPの際に一般市民の思う「もしもの時」と医療従事者の考える「終末期」の認識のずれが医療の現場に新たな葛藤を生じている。事例の紹介を通じてこの認識の違いが生じる状況とこのずれが引き起こす問題について議論したい。救急外来では意志表明の前提となる健康状態や病状が患者や近親者の想定とは大きく外れた状況での治療の選択が必要となることが多く、事前指示とは異なる治療希望が生じるのは当然と言える。一方ACPは患者と関係者の価値観の共有プロセスとされ、それ故救急の場面では事前指示ではなくACPが重要と考えられるが、このプロセスを施設間で共有することは難しい。医療・介護の連携の場面ではしばしばDNARなどの事前指示の共有に留まり、ACPと事前指示が混同されて議論される状況も多い。本発表では救急医療の場面でのACPの諸課題とともにACPの実践に対する急性期医療の役割について検討したい。
