講演情報

[O12-08]救急外来における人生の最終段階でのACP実践の障壁と解決策

*舩越 拓1、森田 智也1、白根 翔悟1、舩冨 裕之1、竪 良太1、溝辺 倫子1、高橋 仁1、栗原 美和子1,2 (1. 東京ベイ・浦安市川医療センター 救命救急センター、2. 東京ベイ・浦安市川医療センター 看護部)
現代の救急医療では高齢化により患者の価値観をふまえた最善の治療方針を示す必要がある。その実施には、①医学的側面の共有、②ケアのゴールの明確化、③治療方針の決定、の3段階プロトコルが知られているが、救急外来での実践には障壁も多い。医学的側面の共有では、発症早期に予後を予測することが困難である。ケアのゴールの明確化でも患者本人の価値観が曖昧なことが多い。このような要因から、迅速な治療介入が必要な状況で本人にとって最善のケアのゴールを見出すことは困難となる。これに対処するための鍵は二点で、まずは治療を開始した後でも患者の状態や意向に応じて治療を中止できるシステムである。見通しが不明確な中で設定された方針は適宜刷新され必要な医療も変化する。そのためには治療の追加や中止を許容することが必要不可欠となる。もう一点は、病院全体で共通言語を持つことである。治療の場が救急外来から各病棟へと移る中で各科の医師間、多職種間で方針が共有され、患者の意向が正確に申し送られることは、患者の意向が尊重される上で欠かせない。本演題では当院における具体例を通じて人生の最終段階のケアの質を向上するための要素を議論したい。