講演情報

[O17-02]脳血流シンチグラフィーが予後の予測に有用であったⅢ度熱中症の1例

*櫻井 友尋1、鈴木 恵輔1、富田 佳賢1、島田 拓哉1、菊地 一樹1、柳澤 薫1、山荷 大貴1、井上 元1、八木 正晴1、土肥 謙二1 (1. 昭和大学 医学部 救急・災害医学講座)
【緒言】熱中症は急性期に神経学的異常をきたした患者の中で,回復期に後遺症,特に小脳失調をきたすことが知られている。しかし,神経学的予後を予測する方法はなく,画像診断の有用性は確立されていない。【症例】86歳,女性。夏季にエアコンのない自宅で倒れているところを発見され救急搬送された。E1V1M4/GCSの意識障害があり,熱中症の診断で救命センターへ入院した。入院19日目にようやく従命が見られたが,この時点で右上肢の小脳失調に伴う静止困難が明らかになった。画像検査では入院6日目の脳MRIで両側小脳半球に浮腫を示唆する高信号域が認められた。9日目の脳血流シンチグラフィー(SPECT)では,右小脳に著しい低灌流が認められた。これらの画像変化はその後改善したが右小脳失調は88日目まで後遺症として残り転院となった。【考察】多くの場合,MRI所見は臨床症状と一致しない。本症例においてもMRIでは両側性の浮腫であったが,初期のSPECT画像における脳血流低下部位は後遺症を残した臨床症状と一致していた。【結語】MRIは予後の指標にはならないかもしれないが,SPECT画像は後遺症の予測に有用かもしれない。