講演情報

[O18-06]フィリピン東ビサヤ地域において軽度眼瞼下垂を認めた毒ヘビ咬傷の一例

*青木 義紘1、立川 温子2、菅原 大輔2、塚本 裕2、高橋 健介1、山野 修平1、早川 航一1、田﨑 修3 (1. 長崎大学病院高度救命救急センター 救急・国際医療支援室、2. 長崎みなとメディカルセンター、3. 長崎大学病院高度救命救急センター)
【はじめに】海外産毒ヘビ咬傷は稀ではあるが違法飼育などに関連し複数報告されており国内で遭遇する可能性がある.サマールコブラ(Naja samarensis)はフィリピン南部に生息する強毒のコブラである.【症例】22歳男性建築作業員が,フィリピン東サマール州の海岸地域で黒と黄色のヘビに右足を咬まれた.伝統療法を受け,咬傷12時間後に地域唯一の三次病院救急外来を受診した.意識は清明で呼吸困難感はあったものの酸素化・換気ともに保たれていた.神経学的診察で,患者は開眼を維持することができず,両側の軽度眼瞼下垂を認めた.咬傷部には牙痕があり,軽度の腫脹と圧痛を認めた.出血傾向はなかった.地理的分布,ヘビの目撃情報,臨床所見からサマールコブラによる咬傷が疑われた.フィリピンコブラに対する国産抗蛇毒血清を静脈内投与したところ,30分以内に眼瞼下垂が改善し,開眼維持が可能となった.【結語】両側眼瞼下垂は毒ヘビによる神経中毒症状として極めて重要な所見であり,抗蛇毒血清の適応である.(本症例は発表者がフィリピン派遣中に経験し,報告の一部はAcute Medicine & Surgeryに掲載された)