講演情報

[O2-01]胸骨圧迫による肝損傷に対しTAEで救命できた肺塞栓症の1例

*島本 枝里伽1、上山 裕二1、松本 大賀1、谷口 宜子1、吉岡 一夫2 (1. 医療法人倚山会田岡病院 救急科、2. 医療法人倚山会田岡病院 外科)
胸骨圧迫に伴う肝損傷の頻度は約2%と稀である。今回胸骨圧迫による肝損傷に対し経カテーテル動脈塞栓術(TAE)で救命できた肺塞栓症を経験したので報告する。92歳女性、倦怠感で当院入院中。リハビリで座位にしたところ突然の胸痛、血圧低下、酸素飽和度低下が出現。超音波検査で肺塞栓が疑われたためCT室に移動したが台上で意識消失し隣接する救急初療室に入室。心静止を確認し胸骨圧迫開始、4分後に自己心拍再開した。造影CTでは両肺動脈の血栓とともに、肝左葉損傷IIIbと腹腔内出血を認めた。緊急TAEと肺動脈血栓破砕術施行+ウロキナーゼ12万単位静注したところ、血圧は上昇し意識清明となり、第87病日後に合併症なく施設に軽快転院された。本例では胸骨圧迫開始直後にリーダー医師が別件電話対応のため目を離しており、胸骨圧迫の質の評価がなかった。胸骨圧迫実施者はトレーニングを受けていない医療従事者であり、胸骨圧迫による二次的損傷の可能性が考えられた。AHAガイドライン2020では新たにCPRコーチという位置付けが提唱されており、CPRコーチの重要性、BLS指導の重要性を改めて認識した1例であった。