講演情報

[O3-01]屋外で車洗車中に発生したトルエン中毒の1例

*木村 かおり1、市原 利彦2、中島 義仁2、川崎 雄輝1、三宅 喬人1、小倉 真治1、三浦 敏春3 (1. 岐阜大学附属病院高次救命治療センター、2. 公立陶生病院 救命救急センター、3. 名古屋市立大学東部医療センター 救命救急センター)
(目的)中毒疾患は一般的に飲食するか、狭隘の場所で吸入暴露することが多い。今回屋外で洗車中、意識消失し救急搬送されたトルエン中毒を経験したので報告する。(対象)48歳男性、一過性意識消失で救急搬送された。タクシー勤務でワックス洗車中、意識消失があった。救急車内も現場でも救急隊の報告では異臭はなかった。来院後も呂律障害と頭痛と腰痛を訴えていた。既往歴にてんかん疑いがある。著名な代謝性アシドーシスがあり、CT、MR、心電図も異常はなく、てんかんが疑われた。その30分間でER内にて悪臭が広がり、スタッフ間で気分不快者が出現、直ちに陰圧個室に移動した。(結果)ワックス実物から、シンナーのトルエンが含有されており、トルエン中毒と症状がすべて一致するので診断できた。入院後全身管理となった。(考察)発生状況から中毒疾患は疑わず、ER対応が遅延したことは反省点である。またERで、てんかんとの鑑別診断は困難なことも多い。故意に吸入ではなく、屋外の換気良好での暴露は少ない。通常業務での発症にも診断の難しさがあった。(結語)屋外での洗車中で発症したトルエン中毒を経験したので、ER対応の反省を含め報告する。