講演情報

[O4-03]高度な血液凝固異常を伴い、初期治療としての感染巣除去術実施の判断に苦慮した細菌性肝膿瘍の一例

*得津 礼記1、寺山 毅郎1 (1. 自衛隊中央病院)
【背景】全身状態が不良である敗血症では感染巣除去が必要である。【症例】60歳代女性、腹痛を主訴に搬送され、肝膿瘍によるDICを伴う敗血症性ショックと診断した。肝膿瘍はCT所見上充実性であった。循環管理にノルアドレナリンとバソプレシンを要し、血小板やD-dimerはそれぞれ、1.6万/μL、21μg/mLであった。第3病日に輸血下で経皮的ドレナージを試みたが排膿に乏しかった。外科的切除は凝固異常によるハイリスクであり見送り、抗菌薬単独治療を継続した。全身状態はその後悪化せず、膿瘍が嚢胞性となった第11病日に再度経皮的ドレナージを実施した。【考察】画像上膿瘍がどの程度充実性であれば経皮的ドレナージは効果が乏しいのかについては明らかではない。本症例では、DICを合併した敗血症性ショックであり感染巣除去を急いだが、膿瘍が充実性であり結果としてドレナージの実施タイミングは早すぎたと考えられた。【結論】膿瘍が初期評価時充実性成分である場合、経時的に膿瘍を評価し、適切なタイミングで経皮的ドレナージは行う必要がある。