講演情報
[O42-01]乳児の緊急気管挿管後の気管膜様部損傷に対して保存的加療が奏功した1例
*須郷 加奈子1、鈴木 恵輔1、富田 佳賢1、島田 拓哉1、菊地 一樹1、柳澤 薫1、山荷 大貴1、井上 元1、八木 正晴1、土肥 謙二1 (1. 昭和大学 医学部 救急・災害医学講座)
【緒言】気管挿管は日常的に行われる手技だが様々な合併症が知られている。その中で気管損傷による死亡率は22%と高く,気管損傷の治療に関する明確なコンセンサスは得られていない。【症例】11ヶ月,女児。30分以上持続する熱性けいれんのため救急搬送された。病着時も痙攣は継続しており,血液ガス所見から著明な呼吸性アシドーシスを認めたため,内径3.5mmカフ付きのチューブを挿管し入院となった。入院時のCTで気胸と縦隔気腫,気管膜様部損傷を疑う所見を認めた。陽圧換気によるair leakの増悪を避けるために,翌日抜管し第6病日に施行したCTでは改善を認め,第10病日に退院となった。【考察】2cm未満の小さな損傷や,症状が軽微で進行性がない症例, 24時間以内に抜管が見込める症例に対しては保存的加療が選択されることが多いとされている。本症例では入室時には痙攣のコントロールがつき,自発呼吸も回復したため,早期抜管を目標に保存的管理を行ない良好な経過をたどった。【結語】11ヶ月の女児の緊急気管挿管後に起きた気管膜様部損傷は保存的加療で改善することがある。過度な侵襲を加えずに保存的加療をまずは考慮すべきである。
