講演情報

[O5-01]低カルシウム血症により繰り返し救急搬送されていたヴィーガンで「ひきこもり」患者の1例

*町田 麻美1、鈴木 恵輔1、富田 佳賢1、島田 拓哉1、菊地 一樹1、柳澤 薫1、山荷 大貴1、井上 元1、八木 正晴1、土肥 謙二1 (1. 昭和大学 医学部 救急・災害医学講座)
【緒言】低カルシウム血症は,しびれやテタニーだけでなく,不整脈などにより時には致命的な転帰をもたらす。【症例】ヴィーガンの33歳女性。一日の大半をカーテンが閉まった自室で過ごしていた。低カルシウム血症で他院に複数回搬送歴があり,毎回カルシウムの補充のみで症状が改善し帰宅していた。今回,手足のしびれやこわばりのために救急搬送され,来院時の補正カルシウム値は7.0mg/dLであった。救命センターへ入院しグルコン酸カルシウムの静脈内投与により,症状は入院2日目までに改善した。その後の検査でビタミンD欠乏によるカルシウム吸収不全と診断された。活性化ビタミンDの内服開始後,カルシウム値やビタミンD値は改善した。その後,精神科的入院加療継続が必要と判断されたが,本人の強い希望により退院した。【考察】当初は過去の診療情報から,低カルシウム血症はカルシウムの摂取不足によってのみ引き起こされると考えられていた。しかし,度重なる低カルシウム血症は,主に日光浴不足によるビタミンD欠乏によるものであることが判明した。【結語】「ひきこもり」患者の低カルシウム血症には積極的にビタミンD投与を検討すべきである。