講演情報

[O5-05]水中毒と悪性症候群を併発した統合失調症の一例

*鶴田 博也1、田口 大1、安藤 佐知子1、林 浩三1、石田 浩之1、牧瀬 博1 (1. 勤医協中央病院)
【症例】60代女性【主訴】意識障害【既往歴】統合失調症【現病歴】搬入3日前より呼吸苦と全身倦怠感を自覚し,当院に救急搬送.意識はJCS2で飲水希望の訴えが頻回にあり,水中毒による低ナトリウム血症として入院治療した.症状改善し第2病日退院となったが退院翌日に自宅で倒れているのを発見され再搬送となった.意識はJCS3,体温37.8℃,血圧189/115mmHg,脈拍数113回,SpO2= 97%,呼吸数30回だった.水中毒による意識障害を疑ったが,血中Na濃度は退院時と変化を認めなかった.またWBCとCKの高値を認め,発熱,筋強剛,頻脈,高血圧,意識変容,発汗過多も認めたことからLevensonによる悪性症候群の診断基準すべてを満たしダントロレン投与のもと入院となった.症状軽快し第16病日自宅退院となった.【考察】本患者は水中毒の診断で入院となり,水分制限による脱水傾向と,近医精神科で処方されているビペリデンの休薬が悪性症候群の原因と考えた.統合失調症による水中毒症例は多く,昨年からビペリデンは出荷停止状態で代替薬の供給も不十分なことから今後類似症例の増加が懸念される.