講演情報
[O7-03]転倒を契機に発症した外傷性横隔膜ヘルニアにより腸閉塞を来した一例
*栗林 健一1、平山 敬浩1 (1. 京都山城総合医療センター)
【はじめに】外傷性横隔膜ヘルニアは鈍的外傷の0.8~1.6%に発生し、日本では多くは交通外傷や高所からの転落などの高エネルギー外傷に伴うものである。今回、軽微な転倒を契機に発症した外傷性右横隔膜ヘルニアにより重症呼吸不全を来した一例を経験したため報告する。【症例】79歳、男性。来院2日前に転倒しダンボールの角で背部を打撲した。来院1日前の昼頃から頻回の嘔吐が出現し摂食困難となった。その後大腿部痛を自覚し、歩行困難となり救急要請した。嘔吐と呼吸状態の悪化を認めたため救急室で胃管留置を行い、緊急気管挿管を実施した。胸腹部CTで外傷性横隔膜損傷と小腸嵌頓による腸閉塞と診断し、横隔膜閉鎖術を施行した。腸管壊死には至っておらず、小腸切除は行わなかった。術後麻痺性イレウスが遷延したものの徐々に改善し、第9病日に抜管、第13病日にICUを退室した。【考察】外傷性横隔膜ヘルニアは胸部外傷の1.2%に伴う低頻度の合併症であり、転倒のみによる発症報告は稀である。自験例をもとに文献的考察を加え報告する。
