講演情報

[O7-04]MTP(massive transfusion protocol)を要した多発外傷後に著明な高ビリルビン血症を呈した1例

*栗正 誠也1、松尾 健志1、脇田 史明1、日村 帆志1、佐尾山 裕生1、宮下 昌大1、内田 健一郎1、西村 哲郎1、溝端 康光1 (1. 大阪公立大学医学部附属病院救命救急センター)
【症例】24歳の女性。自転車走行中に軽自動車に衝突し、当院に搬送された。出血性ショックを呈していたため、MTPを宣言して大量輸血を含む蘇生を開始した。骨盤骨折、両側肺挫傷、脾損傷、左大腿骨頸部骨折などを認め、同日骨盤骨折および脾損傷に対する経カテーテル的動脈塞栓術を施行した。その後は輸血療法や各骨折の手術により循環動態は安定した。第5病日までの総輸血量はRBC 42単位、FFP 42単位、PC 60単位であった。緩徐にビリルビン値が上昇し、第9病日には血清総ビリルビン値/直接ビリルビン値が49.8/36.3mg/dLまで上昇した。腹部CT検査を再検したが肝損傷や胆道閉塞所見を認めず、血種再吸収および大量輸血によるものと考えた。保存的加療にて血清総ビリルビン値は改善し、第41病日には1.9mg/dLとなり、第53病日に転院した。
【考察】多発外傷に対する大量輸血後に血清ビリルビン値が上昇した報告は散見されるが、本症例のように血清総ビリルビン値が50mg/dL近くまで上昇した報告は渉猟する限り確認できなかった。大量輸血後の高ビリルビン血症に対しては、器質的疾患を除外したうえで保存的加療しうる。