講演情報
[O7-06]診断に難渋した鈍的外傷による単独胆嚢損傷の一例
*森 ちひろ1、原野 康平1、永樂 学1、栗原 茉莉子1、高安 弘美1、中島 靖浩1、前田 敦雄1、林 宗貴1、土肥 謙二2 (1. 昭和大学藤が丘病院、2. 昭和大学 医学部 救急・災害医学講座)
【緒言】腹部鈍的外傷による穿孔のない胆嚢出血は稀な病態であり報告例は少ない.今回,来院時および翌日のCTで確定診断に至らずMRCPにより胆嚢出血と診断できた症例を報告する.【症例】49歳,男性.X日,自転車走行中に転倒し右側腹部と腰部痛が出現し増悪したため救急搬送された.造影CTでは明らかな外傷性変化はなく肝胆道系逸脱酵素の上昇もなかったが遅発性損傷リスクを考慮され入院となった.翌日も症状は軽快せず血液検査で炎症反応および肝胆道系逸脱酵素の上昇を認めた.再度造影CTを施行するも診断には至らず,同日MRCP施行したところ胆嚢内の血腫を認め診断に至った.【考察】過去の報告例ではCTで胆嚢腫大・壁肥厚・周囲の液体貯留や造影剤漏出等が認められ胆嚢出血の診断に至ったが,本症例のようにCTで胆嚢出血を診断できない場合もある.MRI/MRCPは胆嚢壁と腔内出血を区別するのに最適な画像検査であるとされており,早期に施行していれば診断に有効であった可能性がある.【結語】腹部鈍的外傷では胆嚢損傷を考慮してCT施行し,診断できない場合はMRI/MRCP検査も検討すべきである.
