講演情報

[O8-01]救急隊の観察と報告により救急医との連携によって奏功した大動脈疾患の一例

*盛田 智紀1、香川 大輔1、安達 智之1、西村 貞彦1、田代 裕一1、上田 敬博2 (1. 鳥取県西部広域行政管理組合消防局、2. 鳥取大学医学部附属病院高度救命救急センター)
【はじめに】
腹部大動脈の急性血栓により両下肢の痺れを発症した傷病者を搬送し、後遺症無く退院に至った事例を報告する。
【症例】
74歳男性、自宅で急に両下肢の痺れを発症し救急要請。現場観察にて、意識レベルJCSⅠ-1、両下肢の痺れを主訴。両下肢の知覚鈍麻及び運動不全麻痺を認めた。安静時に背部、腰部及び胸部に痛みはなく、搬送開始直後から腰部の痛みを訴えた。搬送途中、両下肢の色調が蒼白に変化。両足背動脈にて脈拍触知出来ず、冷感、知覚・運動の完全麻痺を認めたことから、両下肢の虚血状態を疑った。病院収容前に観察結果を医師に報告。報告を受けた医師が、腹部大動脈が閉塞し両下肢が虚血状態となっている本症例の病態を予測出来たことから、造影CT検査による確定診断とカテーテル手術を迅速に行うことが出来た。
【結語】
腹部大動脈の急性血栓により両下肢の虚血症状を発症した症例を経験した。バイタルサインには現れない急速な虚血所見を救急隊が見逃さず医師に報告し、連絡を受けた医師により迅速な対応に繋がった。その結果、後遺症無く退院に至った症例であった。