講演情報

[O9-02]放射線災害医療体制の現状と課題 ―特にオンサイト医療体制構築について―

*廣橋 伸之1,2 (1. 広島大学 原爆放射線医科学研究所 放射線災害医療研究部門 放射線災害医療開発研究分野、2. オンサイト医療体制構築委員会)
我が国の放射線災害医療体制は原子力災害拠点病院を中心に構築中である。この体制は主に原発周囲の住民を対象としたもので、原発内の傷病者対応は担当していない。現在福島第一原発救急医療室は24時間体制を継続しており、現在65名の医師が登録されている。厚労省は来るべき原発事故・災害に備えて全国のオンサイト医療体制整備を進めることを各電力会社に通告し、会社の責任で医療体制を構築中である。2021年からオンサイト医療体制構築委員会が設置され、12の電力会社によるワーキンググループと放射線災害医療のエキスパートや関連学会、電力会社が参加している。課題項目として、教育、人材、連携が挙がり、それぞれの体制整備が進められている。福島第一原発救急医療室登録医師へのアンケートでは全国の原発事故・災害時には対応可能であると返答したが、さらなる人材が必要であるとの意見があった。現時点では我が国の災害時オンサイト医療体制は十分とは言えず、スタッフのリクルートについては原発立地県隣県を中心に、全国へ向けて募集を進めなければならない。複合災害時にはDMATの参画が必須であり、担当省庁の垣根を超えた連携を進める必要がある。