講演情報

[PD1-02]カンボジアのEMSについて

*北原 学1 (1. 国立国際医療研究センター病院)
カンボジアは急速な経済成長に伴い、交通事故の増加や疾病構造の変化により救急医療のニーズが増大しているが、救急医療体制がそれに追いついていない状況にある。同国では、救急現場には医療機関から医師、看護師、ドライバーの3名のチームで医療機関の緊急車両を用いて出動している。しかし、人員が不足している地方都市ではドライバーと医師または看護師という2名体制で出動する場合もあり同国内で標準化された救急医療体制は整備されていない。病院前の教育は本邦のJPTEC™などの病院前救護に関する標準化教育はなく、シミュレーションなどの訓練も行われていない。2017年から主に救急医療に携わる医療従事者を対象に、指導者の人材育成を行っている。現在では、今までに育成してきた指導者によって不定期であるが首都を中心に実技訓練が行われるようになった。しかし、現在行われている教育は自主的な教育であるため、今後は学会によるライセンス化等をする仕組みを構築していくことが課題である。また、上記の救急医療体制強化を目指した活動が、実際にどの程度患者死亡者数の減少に繋がったかは明らかにされておらず、そのアウトカム評価が今後の課題と考える。