講演情報

[PD10-03]暗中模索の小児メディカルコントロール
~消防と医療機関の以心伝心を目指して~

*山上 雄司1 (1. 兵庫県立尼崎総合医療センター 小児救急集中治療科)
メディカルコントロール(以下MC)の柱は①指示、指導・助言、②事後検証、③教育であるが、それらが小児に対してどこまで実施できているかは明らかにされていない。①に関しては小児症例のオンラインにおける指示、指導・助言を誰がどこまで行うかということが明示されておらず、成人救急医が行う施設もあれば小児科医が行う施設もあるのが現状であるが、成人救急医は小児に不慣れ、小児科医は救急医療・病院前救急診療に不慣れであるなど一長一短がある。また、特定行為のプロトコールにおいては各地域でその地域に即して策定されているが、小児症例に関しては記載が不十、記載されていても現場の実情に即していない、などの問題が見受けられる。②に関しては、各地域のMC事後検証で小児症例がどの程度検証されているか、また、普段より小児医療に携わる医師がどの程度検証に関わっているかも明らかではない。当地域ではMC事後検証会に小児関連科医が参加し心肺停止症例を中心に検証を行っているが、その他にもまだ検証されていない頻度・重症度の高い疾患・病態もあり、今後その拡大が望まれる。③に関しては救急隊員への小児救急医療にかかわる統一された教育方法、指導方針は示されておらず、各地域で試行錯誤しているのが現状であると思われる。当地域では不定期ではあるものの救急隊員研修会や消防局単位の研修会で小児救急医療についての講義・質疑応答や症例の振り返りを行う、当院での救急救命士就業前研修・生涯教育における小児救急医療の研修を取り入れる、などの小児医療に関する教育を行っている。今後は統一した教育体制が確立されることが望まれる。また、当院では小児ドクターカーの運用を行っており、その経験を通して見えてきた小児病院前救護の需要、課題等を交えて、今後の小児病院前救急診療の展望を議論したい。