講演情報
[PD11-05]栄養療法における薬剤師の薬学的介入のポイント
*川口 博資1、河本 晃宏2、溝端 康光2 (1. 大阪公立大学医学部附属病院 薬剤部、2. 大阪公立大学大学院医学研究科 救急医学)
救急集中治療領域の患者は、重篤な病態であるため、代謝状態の変化、臓器障害や、炎症性メディエーターの産生などが複雑に影響し、全身状態とともに栄養状態も悪化する。さらに、人工呼吸器、血液透析などのデバイスの影響や、昇圧剤、鎮痛・鎮静薬、副腎皮質ホルモン剤などの薬剤による生理機能への影響もあるため、重症患者の栄養療法は非常に複雑である。栄養状態の悪化は、感染率、人工呼吸器装着期間、死亡率、在院日数などが増加することが明らかとなっている。重症患者の病態・病期に合わせて適切な栄養療法を行うことは、異化亢進の軽減や、免疫・生体機能の改善などにより、予後を改善するとされている。2014年の国際栄養調査では日本の重症患者に対する栄養療法の後れが明らかとなり、また近年の臨床研究で、重症患者に対する栄養療法の有効性が明らかになりつつあった。このような背景から、2020年の診療報酬改定では早期栄養介入管理加算が開始となり、2022年の診療報酬改定では、対象となる栄養療法と病棟が拡大された。2024年の診療報酬改定では、経腸栄養管理加算が新設される。これらのことから、本邦における重症患者への栄養療法の重要性は広く認知されるようになり、多職種で取り組む栄養療法において薬剤師が担う役割は大きい。薬剤師は、経腸栄養剤、静脈栄養の処方監査、相互作用の確認、経腸栄養の合併症対策、血糖管理などで栄養療法への介入が求められる。本講演では、救急集中治療領域に携わる薬剤師が栄養療法でアプローチできるポイントについて議論したい。
