講演情報

[PD13-03]ACP取組の現状と課題:診療所及び高齢者福祉施設へのアンケート調査

*長岡 敏信1 (1. 下関市消防局)
【背景・目的】 下関市では、高齢化の進展に伴い、高齢者の救急搬送は増加傾向で、在宅や高齢者福祉施設から心肺停止状態で救急搬送される事案も少なくない。また、新型コロナウイルス感染症流行拡大期(特に第7波、第8波)の高齢者救急搬送において、DNAR(Do Not Attempt resuscitation)情報がないことで搬送が見つからない搬送困難事案が発生した経験から、在宅及び施設でACP(Advance Care Planning)が進まない要因について、診療所及び高齢者福祉施設に対してアンケート調査を行った。
【対象・方法】 下関市医師会会員及び高齢者福祉施設に対してアンケート調査を実施。
【結果】 下関市医師会会員81施設(回答率39.2%)、高齢者福祉施設48施設(回答率24.5%)から回答を得た。
【考察】 診療所及び高齢者福祉施設の関係者に実施したアンケート調査結果からは、アンケートの対象とした診療所のうち13,1%、高齢者福祉施設のうち10.2%で看取りが実施されていることが明らかとなった。一方で、在宅看取りの課題については、様々な課題が意見としてあがったが、家族の知識不足や家族側と医療側の理解のギャップ等の意見が多かった。コロナ禍において、多くの救急搬送困難事案を経験し、我々も救急搬送について医療機関から、傷病者本人のDNARの意思表示を求められることも少なくなかったが、高齢者福祉施設においても約2割で、救急搬送時に突然、DNARの意思表示の確認があり困った経験をしており、それらの多くの施設でコロナ禍を経験してACP取組への意識変化があったと回答しており、コロナ禍がACP推進の一助となったこともうかがえる結果となった。
 本発表では、診療所及び高齢者福祉施設に対して実施したアンケート調査結果から、ACP取組の現状と課題について発表する。