講演情報

[PD13-04]救急看護を経験した立場から考えるACPへの関わり

*浅香 えみ子1 (1. 東京医科歯科大学病院)
健康予備力の低下した高齢者が大きな侵襲を伴う治療を受けるときに、治療直後の状況までの説明を受けることが多い。ここで生じる問題は、残された健康寿命とのバランスが考えられにくいことにある。とくに、地域・自宅での生活がどの様に安全で安楽であるのか、家族はその支援をどの様に実施するかをイメージしきれていない状態にある。また、徐々に進展する身体機能の低下に伴う苦痛や不安を解決できずにいる。
ある食道がん末期患者は、遡るとがんが発見されとときに手術や化学療法の治療説明があり、積極的に治療を受ける意思表示をした。生活支援者の立場として提示された治療とその後の生活の変化を繰り返し丁寧に説明すると「最後まで痛くなく、苦しくなければ(手術を)望まない」という意思表示に変わった。後日発生する痛みと気道圧排による呼吸苦の発現はがん発見当初よりいずれ発生するすることやその苦痛の対処を含め、予測経過を説明した。気道圧排による症状や急変の可能性とその対応は救急実践の経験から状況を具体的に説明した。その中で、亡くなる前日まで不安なく自宅で過ごすことができた。経過は珍しいものではないが、その意思決定に関わる中で、起こりえる状況と対処を生活場面の中で本人が安心できるレベルまで説明をうけ、その実施されることでACPが充実したものになると考える。そこでは病態アセスメントと対応ができる看護師の関りが有用であると感じている。