講演情報

[PD14-01]敗血症初期診療における薬剤師の視点 ~真に専門性を生かすための薬剤師の立ち振る舞い~

*若杉 和美1、安藝 敬生2 (1. 長崎大学病院 薬剤部、2. 小倉記念病院 薬剤部)
以前より生命の危機迫る緊急性の高い複雑な疾患への濃厚な治療に対し薬剤師の深い関わりが求められてきたが、地道な数少ない薬剤師の活動に限られていた。2007年厚生労働省より発出された「集中治療室における安全管理指針」で、薬剤師は医薬品の管理責任者と明記され、2010年厚生労働省医政局より通知された「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」ではICUでの薬剤師の臨床業務の1例が挙がった。これらを大きな契機として、重症患者への薬剤師の関わりが加速した。施設毎に独自に役割を果たす中で標準化は大きな課題となり、2021年「集中治療室における薬剤師の活動指針」において薬物動態に影響を与える患者の臓器機能や病態の変化、治療処置の有無を評価し処方設計を行うことや、投与経路や投与ルートの選択を含むルート設計を行うことなど、薬剤師の役割がより具体化された。代表疾患である敗血症診療とその治療環境では、特に薬剤師の役割が広く存在する。初期診療では蘇生・立ち上げ、様々な検査、初期治療への反応まで含めた急激な状態変化への対応など、チーム全体が多忙極まる状況の中で薬剤師は専門的な役割を自ら能動的に果たすことが求められる。当然ながら様々な合併症を含め病態や治療方針・目標が複雑に時間単位で変動するため、DIや添付文書情報、ガイドラインの内容を求められているのではない。患者個々に、その変化に応じた状況に合わせて、常に医学的観点、看護学的観点、薬剤師が苦手とするモダリティーやフィジカルな評価をもとにしたリスクベネフィットを加味した判断、そして何より共通のGoal(患者QOL改善)設定と密なコミュニケーションを行うことが求められる。本シンポジウムでは敗血症初期診療における薬剤師の視点を整理し、得意・不得意を多職種で共有し、これを補完しあう専門性の高い「真の」チーム医療・連携のあるべき姿を議論したい。