講演情報

[PD15-03]チーム医療の中で患者状態を考慮した外傷全身CT撮影の取り組み

*田代 雅実1 (1. 公立大学法人 福島県立医科大学 保健科学部 診療放射線科学科)
外傷全身CTは,画質・時間・被ばくのバランスが重要であり,施設形態,機器構成,対応人員によって,様々な考え方(撮影方法)がある.外傷全身CT撮影の標準化は,それらの要因もあり容易ではない.そのような状況で各施設は,「X線CT撮像ガイドライン」や「外傷初期診療ガイドラインJATEC TM(改訂第5 版)」などを参照しながら,施設に合ったプロトコルを設定し運用している.当院の外傷全身CT撮影は,JATECのプロトコルを基に修正し,①頭部 位置決め,②頭部 単純(顔面外傷の場合は顔面も含む),③頚部から体幹部位置決め,④頚部から体幹部動脈相,⑤頚部から体幹部平衡相で行っている.バックボードは,JATECにおいて「長時間の使用により褥瘡を生じるおそれがあるため,できるだけ早く除去することに努める」と記載されており,近年バックボードを装着したままのCT撮影は減ってきている.当院の調査では,バックボードの有無による撮影時間の差に有意差はなく,また画質,被ばくに悪い影響を与えるため,可能な限りバックボードを離脱して撮影している. 上肢挙上の有無は,画質・時間・被ばくに関して大きな問題となる.上肢挙上位は、画質と被ばくにおいて好ましいが,ポジショニングに時間がかかりCT室滞在時間の延長に繋がる.しかし、ERに搬送される患者状態は様々であり,中には時間的余裕がある症例も存在する.当院は,ERスタッフとの連携を図り,放射線技師が初療の段階で患者情報の取得を行うように努め,CT室入室前あるいは入室時に,上肢体位の指示を受けるようにしている.従来CT室に入室した後に,患者の状態を把握しポジショニングを行っていたが,この事前の準備を行う事により,ポジショニング時間の短縮が可能となった.画質・時間・被ばくを考慮し、上肢体位の違いによる2つのプロトコルを設定し運用している.