講演情報
[PD15-04]ハイブリッドERにおけるVariable helical pitch scanを活用した外傷全身CT撮影
*中 智章1、伊藤 正博1 (1. 大阪急性期・総合医療センター 医療技術部放射線部門)
当院に搬送された高リスク受傷機転の外傷患者はIVR-CT装置を備えたハイブリッドERに入室し,胸部・骨盤の単純X線撮影やFAST(Focused Assessment with Sonography for Trauma)を行わずに全身のCT撮影を行っている。外傷全身CTの撮影目的は的確に病態把握し,迅速に治療方針を決定することであり,目的に合わせて撮影プロトコールを決定している。当院の外傷全身CTの撮影プロトコールは,始めに頭頚部の単純CTを一連で撮影し,頭蓋内や頭蓋底・頚椎を評価する。頭頚部の撮影では,スキャン中にヘリカルピッチ(寝台移動速度)や撮影条件(SD設定)を変調させることができるVariable helical pitch scan(以下,VHP)を使用し,頭部と頚部の撮影線量を変化させることで頚部の被ばく低減に努めている。その後,体幹部の単純CTは撮影せずに造影CTへ移行し,体幹部の動脈相と実質相の2相を撮影する。動脈相は頭蓋底を含めるようにWillis動脈輪レベルから骨盤底まで,実質相は胸部から骨盤底までを基本の撮影範囲としている。また,動脈相の撮影ではVHPを使用し,頭頚部と体幹部で撮影条件を変化させることで画質の担保と撮影線量の最適化を行っている。体幹部の撮影時は両上肢を挙上せず体側に下ろした状態で撮影を行い,可能な限り上肢を体幹背部より下垂させることで重要臓器へのアーチファクトを低減している。バックボードで搬送された場合は,固定のみ解除し,バックボードのまま撮影することで,撮影時の位置合わせを簡便に行うことが可能となり,二次損傷のリスク軽減にも繋がっている。今回は当院の外傷全身CT撮影の現状を紹介し,標準化に向けたディスカッションを行いたい。
