講演情報
[PD2-02]救急医こそが自殺対策のステークホルダー
救命救急センターに搬送された自傷・自殺未遂者の特性や動向についてー自傷・自殺未遂レジストリ(JA-RSA) データよりー
*小林 諭史1,2,3、福田 良治3、三宅 康史4,2 (1. SUBARU健康保険組合太田記念病院、2. 厚生労働大臣指定法人・一般社団法人 いのち支える自殺対策推進センター、3. 帝京大学大学院公衆衛生学研究科、4. 帝京大学医学部救急医学講座)
救命救急センターは最初に自殺未遂の患者が搬送される場所であり、救急医の対応が患者の身体的な予後だけでなく、将来的な自殺死亡に至るリスクにも影響を与える。その一方で、救命救急センターに搬送された自殺未遂患者の実態は、ほとんど把握できていない。筆者らは「自傷・自殺未遂レジストリ(略称 JA-RSA)」を開発し、全国の救命救急センターに参加を依頼、2022年12月より症例登録が開始された。参加医療機関および症例登録数は順調に増加し、約1年が経過した2024年1月中旬の時点で登録されたのは1788症例である。JA-RSAから得られたデータは、自殺未遂に至った患者の臨床情報や疾患背景にとどまらず、自殺未遂に追い込まれた要因にもなり得る社会経済状況などの情報が含まれる。公衆衛生学的な介入への提言だけでなく、タイムリーな政策へと活用することを視野に入れた事業となっている。加えて行政の継続的な自殺未遂者支援へと橋渡しを行い、再企図防止までを見据えた対策が、救急医の手にかかっている。本発表ではJA-RSAのデータ紹介を行い、事業の展望と救急医に期待される役割について概説する。
