講演情報
[PD2-06]札幌医療圏における自損患者ケアの特徴
*田口 大1、林 浩三1、石田 浩之1、安藤 佐知子1、牧瀬 博1 (1. 勤医協中央病院 救急科)
当院は年間約6,000名の救急傷病者を応需する2次救急病院である。薬物過量内服(以下over dose=ODと略す)患者の搬送は札幌市内で最も多い。札幌救急医療圏の特徴として、当院のような精神科病棟のない2次救急病院が自損患者の救急搬入の約7割を担っている。当院は精神科医が休職状態となっても自損患者の搬送は絶えず、ODの年齢層は若年化しOTC薬の割合が増加傾向で、再企図が強く懸念されている。当院では、再企図予防を目的に2016年4月よりODのクリニカルパスを導入し、病棟看護師による自殺未遂患者への標準的な対応が確立された。近隣精神科病院とも合同事例検討会を頻回に開催し、救急隊員も交えて精神科救急の勉強会を開催してきた。札幌市消防局のデータでは、2014年の自損事案総数1058件が、2017年に787件まで減少したが、2021年以降3年連続で増加傾向となった(962→1069→1129件)。自損事案は社会的・経済的困難を抱えた孤立した若者が対象となり、問題は山積みである。本発表では、札幌の2次救急病院における自殺企図患者ケアの取り組みとその成果を報告したい。
