講演情報

[PD3-01]「救急外来における薬剤師業務の進め方」について

*今井 徹1 (1. 日本大学医学部附属板橋病院 薬剤部)
近年、救急出動件数は増加傾向にあり、地域包括ケアシステム構築において救急医療体制の強化が不可欠となっている。特に、小児から高齢者まで幅広い年齢層の患者を受け入れ、迅速かつ高度な医療を提供する救急外来は、各専門職が連携を強化し、それぞれの専門性を最大限に発揮することが求められている。救急外来における薬剤師は、薬剤服用歴の確認、病態に応じた処方提案、投与設計、医師の口頭指示内容の確認など、多岐にわたる役割を担っている。特に、意識障害などで薬歴の把握が困難な場合が多く、薬剤師が迅速かつ正確に患者の服薬情報を入手し、医師や看護師と共有することは、患者の治療歴の把握や主訴の原因の一つとして薬剤性の可能性を判断する重要な情報となる。このように、薬剤師の関与は薬物治療の向上や医療安全だけではなく診療の円滑化にも大きく寄与する。一方で、救急外来における薬剤師の業務は、各施設の薬剤師がそれまでに積み重ねてきた知識と経験を基に業務を行っているのが現状であり、救急外来における薬剤師業務の標準化は喫緊の課題である。この度、日本病院薬剤師会と日本臨床救急医学会の共同により、「救急外来における薬剤師業務の進め方」を作成した。病院の機能や規模に関わりなく、全国の医療機関の薬剤師が救急外来において標準的な業務を実施できることを目的とし、薬剤師業務の項目、実施内容とそのポイントを整理し、業務を円滑に遂行するためのガイドとなっている。本書が救急外来における薬剤師業務の基本的位置づけとなり、救急外来において薬剤師業務が推進されることを期待する。すでに救急外来で薬剤師業務を実施している施設は、業務の見直しや新たに業務を展開する際の参考とし、これから業務を計画している施設は、施設の状況に合わせて実施可能な業務を行っていただきたい。