講演情報

[PD4-03]消防救急の一部を民間委託するうえでの課題~感染症患者の搬送を請け負った民間救急の搬送実績から~

*澤田 仁1,3、垣根 美幸2,3、窪田 愛恵3、関根 和弘1、平出 敦1,3 (1. 京都橘大学 健康科学部 救急救命学科、2. 医療法人 大植会 葛城病院、3. NPO法人 われらはふるさと医療応援団)
目的:消防救急の一部を民間委託するうえでの課題を考察する。方法:A事業所の2022年1月1日から2023年5月7日までのCOVID-19搬送記録を単純集計した。結果:搬送件数は1357件、うち保健所からの要請が1294件であった。救急救命士が乗務したのは1025件であった。搬送元は自宅716、施設370、病院220の順に多かった。搬送先は病院1191が最も多かった。所要時間は最短5分、最長5時間30分であった。搬送人員は1365人、うち10歳未満30人、全介助9人、妊婦3人が含まれていた。搬送方法は担架706、独歩651、車椅子8であった。消防要請はSPO2が80%台の1件であった。A事業所の従業員は感染管理認定看護師から感染防護の研修を受けており、搬送業務での感染はなかった。結語:感染症患者の搬送は、重症例を除き民間委託が可能であることが示された。これは、消防救急の約半数を占める軽症事案を民間委託できる可能性を示唆している。一方、急変時に救急救命士が救急救命処置を行うためのメディカルコントロール体制の構築は遅れており、消防救急の負担軽減という点においても喫緊の課題である。