講演情報
[PD5-06]熊本地震における閉じ込め現場での挟圧解除:事例と教訓
*加古 嘉信1 (1. 上武大学 ビジネス情報学部 スポーツ健康マネジメント学科)
【背景・問題意識】阪神・淡路大震災以降、倒壊建物の下敷きとなった要救助者の挟圧解除の困難性が指摘されている。しかし、過去の災害に関する詳細な救助事例データ不足しており、対処能力向上に向けた検討をエビデンスに基づいて推進することが難しい現状にある。【目的】本研究の目的は、熊本地震に関する救助事例データから、倒壊木造建物・閉じ込め現場での挟圧解除に関する教訓を抽出し、クラッシュ症候群対策に係る検討を推進するためのエビデンスの一端を構築することである。【方法】警察庁が公開している熊本地震の救助事例データ(39現場、要救助者60人)を用いた。これらは全て層崩壊を伴う倒壊木造建物・閉じ込め現場に関するものである。分析の主な焦点は、①閉じ込め空間のスケール、②要救助者の被挟圧状況(被挟圧部位、圧迫物、圧迫の程度等)、③救助者・医療者の現場連携実態、及び④挟圧解除作業の実態とした。【結果・考察】危険かつ狭隘な活動現場の状況と、それら状況下における救助者・医療者の現場連携実態や、挟圧解除作業の実態を詳細かつ定量的に把握できた。そこから得られた教訓資料は、今後の検討・訓練や体制構築に向けたエビデンスの一つとして、我が国の災害救助・医療体制の向上へ寄与することが期待される。
