講演情報

[PD7-04]確定緊急度は定義できるか

*織田 順1,2、櫻井 淳3、森村 尚登4 (1. 大阪大学救急医学、2. 東京医科大学救急・災害医学分野、3. 日本大学医学部 救急医学系 救急集中治療医学分野、4. 東洋大学情報連携学 学術実業連携機構)
緊急度判定基準には絶対的なものはもちろんのこと、明確なエビデンスはないことから、#7119始動の段階ではエキスパートオピニオンの集合体を基準にオーバートリアージから運用を開始せざるを得ない。一定期間の後、修正を加えて精度を上げてゆくプロセスが必須であるが、何を絶対的な指標(答え合わせの対象)とするのかには様々な考え方がある。医学的緊急度では、状態が悪くなるまでの時間を絶対的な緊急度とするが、臨床的には、真に状態が悪くなるまでの時間よりも広く、真に状態が悪くなる病態かどうかを判断する(=診察であったり検査であったり)までの時間を短くとる方が良いものがしばしば緊急性のある病態とされる。突然の胸痛や頭痛、背部痛などがこれにあたる。ただし冒頭のように緊急度判定プロトコルを策定する場合には前者の真に状態が悪くなるまでの時間が短い病態、が指標となる。これは確定診断名から、あるいは初期診療で施行された救命救急処置により推し量ることができる。一方、真に状態が悪くなる病態かどうかを判断するまでの時間が短くあるべき病態、については初期診療で施行された検査が参考にはなるが特異度は低くなる。さらには、リソースとのバランスを考慮した緊急度判定の定義は動的なものになる(新型コロナウイルス感染症の流行期、災害時、多数傷病者発生時ほか)。さらに急ぎ指数の概念は社会全体のリソースとのバランスから判定されるものであるが、そこにご本人の満足度やご希望を加味する点から、決して治療の差し控えではなく、ACPの適用と共通するところの大きい、まさに重要な取り組みである。