講演情報

[PD8-01]バイスタンダー体制 日本の現状と委員会の取り組み

*名知 祥1,2 (1. 中濃厚生病院 救命救急センター、2. 日本臨床救急医学会 バイスタンダー体制検討委員会)
院外心停止傷病者の社会復帰率を向上させるには、その場に居合わせたバイスタンダーによる心肺蘇生の協力が不可欠である。わが国においてもバイスタンダーCPR実施率向上を目指して、市民に対する心肺蘇生講習の普及が行われてきたが、一方でバイスタンダーに係る負担に関しては注目されていなかった。本委員会の前身にあたるバイスタンダーサポート体制検討特別委員会は2015年にバイスタンダーをサポートする提言を発表した。その中で多くのバイスタンダーは蘇生に関わることで何らかの心的ストレスが生じるため、サポートするために体制構築が必要であることを延べ、JRC蘇生ガイドライン2015に「精神的な影響」として取り上げられた。提言内では消防機関等が一次窓口になる心的サポート対策を具体例として紹介しており、各地の消防本部で心的ストレスに対する何らかのサポートを実施する取り組みが行われるようになった。委員会では2020年にも提言を発表し、消防だけではなく医療機関・行政・保健所などが連携し、各地のMC協議会がサポート体制の中心に関与するよう述べている。しかし、令和5年に報告された消防庁の調査では、バイスタンダーをサポートする取り組みを実施していない消防本部が38.9%あり、まだまだ不十分なのが現状である。本委員会は前身の特別委員会等が取り組んできたバイスタンダー支援体制を検討するだけではなく、バイスタンダーCPRの実態を明らかにしてバイスタンダー体制の充実を目指して活動を行っている。