講演情報

[SY10-04]救急救命士の特定行為認定制度の課題と展望

*喜熨斗 智也1,10、田邉 晴山2,10、今井 寛3,10、落合 秀信4,10、淺香 えみ子5,10、一柳 保6,10、北原 学7,10、鈴木 健介8,10、沼田 浩人9,10、田中 秀治1,10 (1. 国士舘大学大学院 救急システム研究科、2. 救急救命東京研修所、3. 桑名市総合医療センター、4. 宮崎大病院救命救急センター、5. 東京医科歯科大学病院、6. 高野町消防本部、7. 国立国際医療研究センター病院、8. 日本体育大学保健医療学部、9. 日本医科大学多摩永山病院、10. 日本臨床救急医学会医療機関に所属する救急救命士に関する検討委員会)
2021年10月1日に救急救命士法が改正され、救急救命士による救急救命処置の実施の場が医療機関内(入院するまでの間)に拡大された。救急救命士による気管挿管やアドレナリン投与などの特定行為の質の保証のための認定・管理は都道府県メディカルコントール協議会(以下、都道府県MC)が担っている。これまで特定行為について都道府県MCの認定が必要となる対象は消防機関に所属している救急救命士(以下、消防救命士)だったが、救急救命士法が改正され、医療機関に勤務する救急救命士(以下、病院救命士)が実施する医療機関内での特定行為も都道府県MCの認定・管理が必要となった。
 2023年3月に全国47の都道府県MCにアンケート調査を行い、45の都道府県MCから回答を得た。そのうち、病院救命士に対して特定行為の認定・管理を行なっている都道府県MCは5MCであり、検討中は15MCであった。
 病院救命士の認定の課題として他に、都道府県内で医療機関と消防機関を所管する部局が異なることや、消防機関に所属しすでに都道府県MCに認定されている消防救命士が医療機関に転職した場合の取り扱い、消防機関を退職して認定されていた都道府県MCと異なる都道府県の医療機関に就職した場合の取り扱いなど、病院救命士の認定作業について整理すべき点が散見された。 
 これらの課題に対して日本臨床救急医学会が都道府県MCの代わりに認定作業を行うことについて多くのメリットがあると考えられるが、日本臨床救急医学会と都道府県MCの連携方法を具体的に決める必要があり、また病院救命士に対するアドレナリン投与や気管挿管の追加講習の実施方法などの課題もある。本発表ではこれらの課題をまとめ、今後の展望について考察する。