講演情報

[SY15-03]経験不足を補うためのへき地消防の取り組み
~消防と医療機関の顔の見える関係づくり~

*大滝 達也1、丹保 亜希仁2 (1. 上川北部消防事務組合、2. 旭川医科大学救急医学講座)
当署が管轄する町の人口は約3,000人,面積は644.2㎢と187隊の救急隊を運用している東京特別区(23区)よりやや広い地域を救急車1台でカバーしている,いわゆる「へき地消防」である。また,主たる搬送先も地元の2次医療機関である町立病院と日本最北の地域救命救急センターを有する総合病院の2箇所のみである。近年の救急出動は年々増加傾向にあるが,当署のような「へき地消防」では横ばいである。大都市の救急隊と比較し1隊が担当する救急件数が少ないため,救急隊員1人が生涯で経験する症例数も少ない。経験症例の少なさを補うため,当地域では心肺蘇生,外傷,多数傷病者対応などのoff-the-job trainingを積極的に開催している。また,コロナ禍でOJTの開催が厳しかった時期もオンラインによる自主勉強会など行った。この様な取組みで,搬送先の医師や看護師と顔の見える関係のみならず名前を呼び合える関係や腹を割って話が出来る関係の構築に繋がり,現場活動はもとより病院への受入要請など以前より円滑になった。この様な「へき地消防」ならではの長所は,局地災害発生時にも活かされると確信している。