講演情報

[SY19-05]マラソン大会で発生した重症熱中症に対するアイスバスの運用とその課題

*沢本 圭悟1,2、上村 修二1,2、大泉 里奈1、稲村 広敏2,3、田口 裕紀子2,4、成松 英智1,2 (1. 札幌医科大学医学部 救急医学講座、2. 札幌医科大学 北海道病院前・航空・災害医学講座、3. 札幌医科大学附属病院 薬剤部、4. 札幌医科大学保健医療学部看護学科 看護学第一講座)
【背景】熱中症、特にスポーツに起因する重症熱中症では一刻も早い冷却が推奨されている。重症熱中症に対する冷却方法の一つにアイスバスがあり、東京五輪でも用いられて一定の成果を収めている。【目的】北海道マラソン2023で発生した重症熱中症に対してアイスバスを用いて冷却した症例を振り返り、対応方法を再考する。【方法】当大会は2023年8月27日に開催され、WBGTが最高値で29℃を記録した。ゴール地点救護所でアイスバスを用いて冷却した1例と、コース上で発症して医療機関に救急搬送されてからアイスバスを用いて冷却した1例について、冷却速度と発症から冷却完了までの時間について調査した。【結果】冷却速度は、ゴール地点救護所では0.13℃/min、医療機関では0.05℃/minだった。発症から冷却完了までの時間は、フィニッシュ救護所では22分、医療機関では70分だった。【結語】スポーツに伴う重症熱中症では、発症から30分間がGolden half hourと称されており、30分以内の冷却達成には現場でアイスバスによる冷却が必要である。マラソン大会での重症熱中症に対する救護体制は見直しが必要である。