講演情報

[SY2-07]機内で急変し、蘇生処置に困難を来した1例

*阪本 太吾1,2、久野 将宗1,2、横堀 將司2 (1. 日本医科大学多摩永山病院、2. 日本医科大学救急医学教室)
【事例】71歳男性
【主訴】意識障害
【現病歴】海上を航行中のフェリー内で発見され、洋上救急事案となった。回転翼機に医師が同乗して出動、機内収容した際は意識レベルJCS300、気管挿管を試みるが困難で心肺停止(波形PEA)となった。輪状甲状靭帯切開、アドレナリン投与したが末梢静脈ルートが抜けていた。当初、航空基地へ帰投し救急車搬送する予定だったが、飛行経路直近の病院への搬送に急遽変更した。病院到着時、心肺停止、片肺挿管だったため経口気管挿管に変更、末梢ルートを取り直しアドレナリン投与し速やかに自己心拍再開した。
【診断】左視床出血、脳室穿破。
【予後】同日死亡。
【考察】回転翼機で直接搬送できる病院は限られており、搬送先の確保、機体の離着陸・受け入れ訓練が必要である。機内で円滑な蘇生処置が行えなかった原因は、不慣れな環境での処置、隊員と医師間のコミュニケーション不足が原因と考えられた。救急救命士を中心として隊員と医療者の連携を向上させるため、洋上救急慣熟訓練を実践的な内容に充実させる必要がある。
【結語】機内での処置や隊員と医療者の連携を図るために洋上救急慣熟訓練を充実させる必要がある。