講演情報
[SY3-04]ドクターヘリに搭乗しプレホスピタル活動を実施する院内救急救命士の役割
*安齋 勝人1 (1. 埼玉医科大学総合医療センター 高度救命救急センター・救急科(ER))
埼玉県ドクターヘリでは、2016年から消防での現場経験がある院内救急救命士(以下院内救命士とする)がドクターヘリに搭乗し、プレホスピタル活動を実施している。院内救命士の役割は、医師・看護師の補助、救急救命士としての観察と処置、情報収集、救急隊との連携(業務依頼と技術指導など)である。ドクターヘリでのプレホスピタル活動は多職種が初見のメンバーでのミッションであり、円滑に活動するためには連携は重要なポイントとなる。今回は、院内救命士の救急隊との連携に焦点をあて活動を検証した。ドクターヘリに搭乗する院内救命士の胸部にウエアラブルカメラを装着し、撮影された救急車内での活動について、社会学の専門家と協働し、エスノメソドロジーを使用し分析した。事例は一酸化炭素中毒の患者に対して、医師1名、看護師1名、院内救命士1名、救急隊3名が救急車内での活動を捉えている。院内救命士は、救急車内のスライドドアの前に位置することで、医師、看護師、救急隊の会話を収集し、車内における活動の進捗状況を把握しつつ、行動していることが確認できた。救急隊の活動について記録ができているのか質問することで情報のとりまとめを提示し、医師からの挿管準備を救急隊へ依頼し順調に進まない様子を感じ取ると直接指導も行った。この様に救急隊長と医師の連携をサポートし活動が円滑になるよう行動していた。社会学の専門家と協働し、エスノメソドロジーによって一つ一つの行動や会話の分析によって、救急隊の活動や院内救命士の支援・指導状況を細部まで把握することができた。それにより、院内救命士の支援が、救急車内における活動を円滑化させていることが判明した。この点において救急隊としての経歴があることが大きなアドバンテージになっていると考える。また、現場で院内救命士が救急隊に対して処置、治療介助など直接指導を行うことは、OJTとして有効であると考える。
